skip To Content skip To Navigation

メルマガ会員新規登録で10%OFF クーポンプレゼント中!

 

【新着情報】Fall+Winter 2022

 

【インタビュー】
「自分の心に素直になれるようになった貴重な時間」
写真家・山田悠人さんがモロッコの旅を通じて得た発見とは

2022年6月10日〜7月1日にかけて、世界各地から選ばれたインフルエンサー達が3週間に渡りモロッコの旅をした「#GOPACKPACK」プロジェクト。この旅に参加した写真家・山田悠人さんをお迎えし、旅の振り返り、大自然の中で感じた発見や新たな体験について語っていただきました。


■新たな発見を求める旅「#GOPACKPACK」プロジェクト

https://www.jack-wolfskin.com/gobackpack-morocco/

ジャック・ウルフスキンは、2022年秋冬からタグラインを一新し、“WE LIVE TO DISCOVER”に変更、自然の中での新しい発見を促すために好奇心に満ちた人たちをサポートしていくブランドを目指しています。その中、企画された「#GOPACKPACK」は、バックパック一つで旅をし、そこで感じた楽しさや純粋な気持ちを発見し、発信するジャック・ウルフスキンのドイツ本社が主導したプロジェクトです。世界中から選りすぐりの12人のクリエイターやアウトドアラバーズを集め、そのメンバーとともに3週間の旅をしました。

今回の舞台は北アフリカの国・モロッコ。山田さんは、カメラマンとして風景・人物を中心に数万枚も撮影して旅の様子を残してきました。旅中の思い出や思いがけない出来事、印象に残っていること、そしてこれらを通して得られた新しい発見とはどんなことでしょうか。

---現在ベルリンを拠点としているそうで、そのようになった経緯を教えていただけますか?

山田さん:結婚後、ドイツ人の妻と日本に住んでいたのですが、3.11(2011年3月11日に発生した東日本大震災)をきっかけに、妻が日本にいることに不安を感じるようになったんです。そこで、彼女の母国であるドイツに移住し、そこで活動することになりました。

---あの災害を契機に、色々なことを考えるきっかけになった方はとても多いですよね。ドイツに移住された一方で、日本の風景をよく撮影をしていると聞きました。なぜ日本の風景を撮影しているのですか?

山田さん:日本は四季が存在し、年間を通して様々な表情を見せてくれます。ベルリンは暑いか寒いかの極端な気候なので、徐々に移り変わるシーンがそこまで見える訳ではありません。そこが日本の魅力だと思い、日本の美しさを世界に伝えたいという気持ちから3年前から47都道府県や島々をめぐり、日本の風景の魅力を撮影しています。11月にはこれまで日本を撮影した写真集が発売されます。

---日本と海外をそれぞれ過ごしたからこそ得られる発見ですね。そんな中、今回の「#GOPACKPACK」プロジェクトのお話を聞いた時は、率直にどう感じましたか?

山田さん:「おもしろそう!」と感じました。普段は日本とベルリンを往復して二拠点生活していますが、モロッコを旅できるなんて、めったにないなと当日までワクワクしていました。

---このお話を聞いた時、奥さまはどのようにおっしゃっていましたか?

山田さん:「いいじゃない」と、背中を押してくれました。妻は自分の新しい取り組みをいつも後押ししてくれるので、そのひと言で安心しました。旅中は、自分がアップしたインスタグラムの投稿を、随時、子どもに共有していたみたいです。なので、旅を終えて帰宅したときも、どんな所に行っていたか、だいたいを知っていたようで、あまり質問攻めになることもなかったですね(笑)。


■モロッコの子どもの笑顔に涙が溢れそうに

---今回は参加者同士のチームビルディングを図るためのプレイベントを経て、モロッコでの旅が始まりました。メンバーは世界各国から集まったわけですが、一番印象に残っている人はいましたか?

#GOBACKPACK Travel Moroccoの参加者とクルー

山田さん:俳優をしているフランス人の男性とよくお話をしたのが印象に残っています。旅では5台のクルマが用意され、移動時はメンバーをシャッフルすることなくずっと一緒でした。フランス人の彼はずっと隣にいたのですが、地元や仕事の話などいろんな話をしました。

あと、自分が乗っていた車のドライバーが「のどが渇いたでしょ。水いる?」とか、常に気を使ってくれる人だったので安心しましたね。モロッコは全体的に暑い気候なので、水分補給は生命線ですから。ちなみに、この旅では水は支給されますが、それ以外の飲み物は自分で買うきまりになっていました。コーラなどはめったに飲めない贅沢品でした。でも、車で出された、冷蔵庫で冷やされた水を飲むだけで、本当に幸せだと感じました。一口の水であれほど幸せを感じられたのは人生で初めての経験でしたね。

---水があるだけで幸せと聞くと、相当過酷な環境だったんですね。3週間続いた旅で大変だった思い出を教えていただけますか?

山田さん:初日ですね。スタートして170km走り、アグティという街の川沿いでテントを張って泊まったのですが、かなりの量の雨が降っていたので「水没しないだろうか」、「ちゃんと寝られるのだろうか」と随分心配になりました。でも、現地のコーディネイターが「これなら問題ないよ」と普通に言うので、疲れもあってか、あっというまに寝られましたけど。

あと、砂漠では、日中は40℃とかなり気温が上がるのに加え、日除けがないのでクルマの小さい影に隠れて暗くなるまで過ごすのはしんどかったです。メンバーによってはクルマの下に隠れる人もいましたね。(笑)

---砂漠で寝ると思うと心配になりますね。空き時間はどのように過ごしていましたか?

山田さん:参加者がそれぞれ違った仕事をしているので、そのノウハウを教え合ったりしていました。自分はAdobe Lightroomのアンバサダーを務めた経験もあり、写真編集と整理ができるLightroomの使い方を教えていました。

---勉強にもなり楽しそうですね。旅の中で、特に印象に残っていることはありますか?

山田さん:砂漠で泊まったとき、星空が近く、どんな小さい星も存在感があったのは印象に残っています。普段は照明と建物で夜空を見ても何も感じることはありませんでしたが、大自然の中で見る夜空はこんなにも美しいのか、と感銘しました。そして思わず、カメラを手にしたのですが、その瞬間、初心に戻ったというか、カメラに対する情熱が一気に高まっていったのを覚えています。

©Yuto Yamada

 

また、街では地元の人と交流する機会があったのですが、とにもかくにも子どもたちがみんな笑顔でフレンドリーに近づいてきます。パッと見回してもモノが充実しているわけでもなく、正直恵まれているような環境でもないのに。その笑顔がキラキラと輝いて見えて、思わず涙腺が緩んでしまいました。日本だと、モノもごはんも溢れていてとても恵まれている環境にもかかわらず、東京では笑顔で手を振って近づいてくる子どもたちを見た思い出はあまりないんです。それとは対称的な環境なのに、モロッコの子どもたちはいきいきしていました。将来の夢を聞くと「水が飲めて、家族が一緒に住めること」と迷いなく話していたんです。それを聞いた瞬間もつい泣きそうになりました。欲をかきすぎず、日常生活の中に幸せになるピースがたくさん落ちているのだということに気づかされた瞬間でしたね。

©Yuto Yamada



 

■旅を通じて得たものは自分自身と向き合う姿勢

---3週間の旅を終えて、まずやったことはありますか?

山田さん:自転車を引っ張り出して、休日に乗るようになりました。旅の途中でロードバイクに乗る機会があったのですが、何もない道を全力で走る爽快感はとても気持ちよかったんです。日本にいたときにも趣味で自転車に乗っていたのですが、しばらくその魅力を忘れていましたね。

仕事に夢中になると、それまでやっていたことが疎かになりやすくなります。勢いがあるときはそれでいいのですが、息抜きしないと頭も体も余裕がなくなってしまいます。自分にとって、自転車に乗って何も考えずに走る時間は、すっきりできて楽しいんです。今回の旅で、その楽しさを思い出させてくれたのは貴重だと思います。

---趣味の時間が大事だと気づけたのは大きい発見ですね。そのほかに発見したことがあれば教えてほしいです。

山田さん:先ほど、モロッコに住む現地の子どもたちの笑顔を見て、泣けたお話をしました。普段の生活で、そこまで感情が出ることはほとんどなかったのですが、子どもたちの笑顔も、自分の泣いた感情も、素直な気持ちの表れだと思うんです。
時と場合によりますが、感じたことはそのまま出したほうがいいと思うようになりました。それまでは、自分の子供に対しても、「男なんだから泣くな」と思わず口にしてしまうことがあったのですが、今は泣きたいときには泣き、笑いたいときには笑う。そうした素直な感情が、心を豊かにして幸せになれると今回の旅を通してとても強く感じました。

振り返ると、この旅では自分自身と向き合うことができて、内面の変化を実感できましたね。初心に戻り、大事なことに気づけたことでリセットできたことはとても大きかったと思います。


■山田さんの取材を終えて

世界を股にかけてグローバルに活動する山田さん。終始落ち着いた姿勢でお話されていましたが、モロッコの話に入ると真剣な表情とジョークを交えた楽しげな表情とが交互に表れ、つい引き込まれてしまいました。

また、砂漠地帯での星空の美しさや、何もないからこそ日常生活に幸せのピースが落ちていること、そして感情は時として素直に出すべき、など、旅を経て感じたリアルな発見は、まさに「#GOBACKPACK」での収穫であったのだろうと感じました。

今回の旅の模様は、本国サイトにて掲載しています。また、山田さんのインスタグラムでも、旅の一部の写真が載っていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

ジャック・ウルフスキン「#GOBACKPACK Morocco」※海外サイト
https://www.jack-wolfskin.com/gobackpack-morocco/

山田さんのインスタグラム
https://www.instagram.com/tokio_kid/

山田悠人
東京都出身。国内の広告制作会社に勤務した後にニューヨークへ渡米し、その後帰国してフリーランスデザイナーとして活動。2013年よりドイツ・ベルリンに活動拠点を移し、写真家、映像クリエイターとして活動。近年は日本の美を世界に広めるために、精力的に日本を撮影する傍ら、広告写真や企業案件の撮影を行っている。